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製品の品質基準について 〜BSCI編〜

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2020.05.15
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製品の品質基準について 〜BSCI編〜



皆さんこんにちは!前回、製品の品質基準とはどんなものなのかということと、その中の《工場監査基準 [ISO9001]》についてご紹介させていただきましたが、今回は製造側で必要な評価基準をもう1つご紹介させていただきます。


【関連ブログ】→「製品の品質基準について」

《労働環境に関する監査基準》

これは、工場で働く従業員の労働環境がきちんと整備されているかをチェックする基準で、「BSCI」と呼ばれる基準などがあります。


BSCI


「BSCI(Business Social Compliance Initiative)」とは、ベルギーのブリュッセルに本拠を置くNPO団体で、「FTA(Foreign Trade Association:自由貿易協定)」のイニシアティブとして2003年に設立されました。
参加企業は現在1500社以上になり、「自由な貿易、持続可能な貿易」というビジョンを持った「FTA」のメンバーでもあります。

「BSCI」参加企業は、サプライチェーン上のビジネスパートナーと共に、「BSCI」の行動規範を実行することが求められます。
その「BSCI」行動規範は、世界人権宣言、子供の権利とビジネス宣言、ビジネスと人権に関する指導原則、OECDガイドライン、国連グローバルコンパクト、ILO条約、およびサプライチェーンにおける労働環境の改善に関連する国際協定に基づいています。


そして、この行動規範では11の労働者の権利について記されています。
・結社の自由と団体交渉の権利
・差別の禁止
・公正な報酬の支払い
・適当な労働時間
・仕事上の健康と安全
・児童労働の禁止
・若者の労働者の保護
・不明瞭な雇用契約の禁止
・強制労働や人身売買による労働の禁止
・環境の保全
・倫理的なビジネス行動(腐敗防止)


また、参加企業は、「BSCI」から主に3つの幅広いサポートを受けることができます。

1.連携

・現地の言葉でのみ利用可能なサプライヤーについての情報提供
・National Contact Groups(NCGs)による、国レベルでの経験や 情報の教諭するプラットフォームの提供
  ・サプライヤーの地元の企業と連携する機会の提供

2.向上

  ・ワークショップやeラーニングなどのトレーニング
  ・「BSCI」のマニュアルやニュースレター

3.監視

  ・包括的な監査ツールを、国際的な監査ネットワークと共に提供
  ・サプライヤーの活動を簡単に追跡できるデータベース
  ・チェックリスト、自己監査質問票、などの役立つツール


「BSCI」行動規範の実行システムが「BSCI 2.0」と呼ばれるものであり、以下の2つのコアコンセプトによって、
参加企業が、社会的責任をビジネスのプロセスとビジネスパートナーに組み込むのを助けています。

1.デューディリジェンス

「BSCI」は企業に、サプライチェーン上の人権侵害リスクを特定、防止、対処するためのアドバイスを行います。

2.カスケード効果

企業のビジネスパートナーと一緒に、グローバルサプライチェーンのそれぞれのレベルにおける企業の活動を「BSCI」は助けます。


最新の「BSCI」行動規範は2014年に発行されましたが、2016年1月からは、「BSCI2.0」での監査のみが「BSCI」行動規範の監査として認められます。

参加企業のビジネスパートナーへは、2年ごとにこの監査を受ける必要があり、監査の結果改善を求められた場合、12か月以内に追加監査を受けます。
以上のように「BSCI」基準は、労働条件、人権条項、労働安全、健康および環境要件をカバーしています。


認証工場はこれら上記の条件を守らないとならず厳しい監査となります。また、「BSCI」認証は毎年一度更新をする必要があるので、更新の監査で不合格になってしまった場合はその認証が取得できなくなってしまいます。

皆さんが普段店頭などで手に取る製品には、それを作る工場がこれだけ様々な基準を元に作られているということは気づかないかもしれません。
しかし、こういった基準があることで安心して使っていただける製品を作っていることをぜひ覚えていただけると嬉しく思います。

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