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『TILE』の誕生秘話 2―3Dデザイン編

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2019.09.02
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『TILE』の誕生秘話 2―3Dデザイン編


執筆者:プロダクトデザイナー DARYL

前回、TILEの誕生秘話としてその出発点やこだわりについてご紹介しました。 今回はその第2弾で、デザインの過程や3Dソフトを使ってどういう風にデザインし、作られたのかというプロダクトデザインの側面から誕生秘話をご紹介します。


関連ブログ→「TILEの誕生秘話」

■全てが一本の線から


image1 デザインコンセプトが決まったら、次は具体的なアイデア出しに入ります。
頭の中のアイデアを目に見える形にするために、幾つもスケッチを描き出していきますが、その全ては一本の線から始まります。

そして、描き出したデザインが実現可能なものかを検証していきますが、その過程でまた新しいアイデアが浮かんでくることもあります。
通常手書きが多いのですが、最近ではパソコンとタブレットを使ってのアイデア出しも増えてきています。
image2

■3Dモデリング

アイデアが決まったら、次は3Dモデリングに入ります。
3Dモデリングとは仮想3次元空間上に個々の物体の形状をつくる作業のことである。大きく分けるとCG系とCAD系の2種類に分けられます。
CG系は主に複雑な曲面や画像レンダリングをするのにオススメです。それに対してCAD系は細かいデータを正確に再現することができるため、商品を量産する時に使用されることが多くあります。

しかし、商品化する際にデザインを100%実現することが難しい時もあります。その場合、またデザインを考えてモデリングをするということを何度も繰り返します。

■TILEの3Dモデリング

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3Dソフトによってはその仕様が異なる点もありますが、大きな流れとしては点➡線➡面➡体が基本的な考え方となります。
今回は特別に普段見ることができない画像をちょっとだけご紹介します。
下の画像はTILEの3Dデータです。iPhoneの寸法をベースにして、ケースの寸法をどれぐらいにするかを検証しています。
そのため、画面上ではiPhoneのデータを常に表示しておき、それぞれの箇所の検証を行います。この過程としては、まずそれぞれのキーポイントとなる場所を決め、そこに線を引き、引いた線を繋げることによって、面を作成します。そして最後にメインの形までを作成します。

■ディテールの作成

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①メインの形ができたら、次は細かい箇所の検証になります。
例えば、下の画像のように、角のまわりの表面はどうなっているのかを検証します。
TILEの背面部分はガラスになっているため、滑り防止として角をガラスより、高めに設計し作られています。
この高さを何ミリにするのか検証するために3Dモデリングを使って設計しますが、0.何ミリ、もしくは0.0何ミリになるぐらい細かい作業となります。

②大枠の形ができたら、次にiPhone本体下部にあるスピーカー、マイク、充電口などのパーツ部分がに支障なく使えるように、穴の位置を設計します。

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③断面部分を見ながらの検証は常に行います。iPhone本体とケースが干渉しないか、位置があっているか、または構造がどうなっているのかというのを中心にチェックしています。

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④ボタンやスイッチ周りもまた重要です。もしボタンやスイッチの操作ができなければ、大きな欠陥となってしまうため、面取りは必要かカット面はどうするかエッジを丸めにするかなど色々と考えます。

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⑤外観やボタン周りなどの設計が完了したら、最後に製品にロゴを入れます。

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⑥ロゴも入れ終わり、最終段階としてデザインの意図を実現するため、全体像やそれぞれの方向からもう一度検証します。

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■レンダリング

レンダリングと3Dソフトを利用して作成した3Dモデリングデータから、コンピュータのプログラムを用いて画像・映像などを生成することをいうことである。試作する前に実物の確認をすることができないため、その際は作成したデータをもとにレンダリングし、見栄えやイメージなども検証します。レンダリングを行います。 image11 image12 image13
全体イメージはもちろん、細かいところまで全部レンダリングし、検証を行います。
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■最後に

今回『TILE』の3Dデザインについてちょっとだけご紹介しましたが、プロダクトデザインの内容はまだまだありますので、また続きをご紹介していきたいと思います。
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